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答えは一択

そもそも禅僧は、鎌倉時代以降、武士階級の相談役を務めていました。
最近ではスティーブ・ジョブスが禅僧の指導を受けていたようですね。

日本で有名な例といえばたくさんありますが、元寇の時の将軍、北条時宗です。
日本の命運がかかった決断に対し、時宗は師匠である禅僧無学祖元に相談します。
師の答えは「莫妄想!」でした。
妄想とは、自我が二択のどちらかを選ぼうとすることです。この場合では、戦をするかしないか、の二択です。
雨が降れば、私たちはつい「嫌だな」と思ったりします。これも好きか嫌いかの二択です。
二択は必ず行き詰ります。なぜなら、「嫌だな」と思った感情に自分自身が影響を受け縛られるからです。

行き詰らない決断とは、二択に分かれる以前の自分の全身全霊の答えのことです。そこからでた答えは一択なので、迷いがないからです。

人間はつい間違わない答えを得ようとして迷いますが、全身全霊のどうしようもなくこれしかない、と思う答えには、間違いなど存在しません。

ではどうすればそのようなはっきりと明らかな悔いのない決断判断ができるのでしょうか。
それはまず、無学祖元が言われる通り、心を鎮めること、これだというものが出るまで自分の心に寄り添い、集中を持続して静かに待つことなのです。必ず自分らしい一択の答えが出てきます。

禅僧が古来相談相手に良いのは、坐禅によって二択の手前の心に自分自身が居るので、相手の迷いの棘を抜いていくことが普通よりは得意だからでしょう。
よろしければお気軽にどうぞ。

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